令和3年度 医療法人社団浅ノ川金沢脳神経外科病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 12 19 34 90 176 259 452 302 91
 当院は比較的高齢者に多い「脳血管疾患(脳卒中等)」や「脊椎・脊柱障害」治療に注力していることから、退院患者さんの約8割(77%)が60歳以上となっています(70歳以上で59%、80歳以上で27%)。
 49歳以下の患者さんも全体の約11%おられますが、ここでも約6割(57%)が「脳血管疾患」、「脊椎・脊柱障害」となっています。
 脳神経外科専門病院として、幅広い年齢層に対応しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(発症から3日以内)・脳保護薬(エダラボン)あり 141 34.79 15.63 4.96 72.75
030400xx99xxxx 内耳性めまい等(前庭機能障害) 70 3.67 4.92 0 65.1
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤(脳血管撮影検査入院) 68 2.31 2.99 0 61.16
010040x099000x 脳出血・手術なし 62 50.27 18.90 11.29 68.08
010230xx99x00x てんかん(けいれん発作等) 57 7.12 7.22 5.26 68.67
 当院は脳神経外科専門病院として、脳卒中を始めとする脳血管疾患治療に積極的に取り組んでいることから、「脳梗塞」、「脳出血」、「未破裂脳動脈瘤(破裂するとくも膜下出血)」が症例数の上位に挙がっています。また、救急医療にも注力しており、脳卒中はもちろんのこと、「内耳性めまい(前庭機能障害)」や「てんかん(けいれん発作等)」など、救急車搬送率の高い症例が多いのも特徴です。これらに次いで多いのが、「腰部脊柱管狭窄症・手術あり」54例、「頭部外傷(頭部の打撲・創傷、脳挫傷等の頭蓋内損傷等)」50例となっています。
 ちなみに「脳梗塞」、「脳出血」において、自院の平均在院日数が、全国平均に比べ長くなっているのは、急性期病棟での治療を終えた後、リハビリテーションを中心とした継続治療のため回復期リハビリテーション病棟へ転棟するケースが多いためです(約3~4割)。急性期病棟のみの平均在院日数は、「脳梗塞・脳保護薬あり(010060x2990401)」で14.72日、「脳出血・手術なし(010040x099x00x)」で15.64日となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 - - - - - - 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
本項目の定義に該当する患者さんはいませんでした。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 - - -
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
本項目の定義に該当する患者さんはいませんでした。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 434 60.31 75.89 10.04
その他 64 46.70 73.38 0.40
 令和3年度において「脳梗塞」により入院した患者さんは498人で、そのうちの87%が発症から3日以内での入院でした。脳梗塞は増加傾向にあり、この病院情報の公表が始まった6年前(平成27年度)との比較では約26%増加しています。平均発症年齢は75.6歳ですが、下は30歳台から上は100歳以上と幅広い年齢構成となっています。平均在院日数については、「2.診断群分類別患者数等」で前述したとおり、当院の場合、脳梗塞患者さんの約3割が急性期病棟での治療後、リハビリテーションを中心とした継続治療のため回復期リハビリテーション病棟へ転棟することから、全体では平均で58.56日となっています。急性期病棟のみの平均在院日数は16.77日です。
 厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査」によると、脳血管疾患(脳卒中)は“介護が必要になった主な原因”の2位となっています(要介護度4、5では1位)。当院は脳神経外科専門病院として、脳梗塞による後遺症を少しでも軽減すべく、急性期治療(手術治療、薬物治療、急性期リハビリ等)から回復期リハビリテーションまでの切れ目のない“連続一貫”した治療を提供しています。(→脳卒中センターリハビリテーションセンター
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 62 1.74 17.58 0 65.31
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 34 1.06 12.06 8.82 75.21
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 30 2.67 13.90 0 57.57
K1781 脳血管内手術(1箇所) 30 0.83 33.07 10 64.30
K178-4 経皮的脳血栓回収術 23 0.26 117.87 21.74 76.87
 当院は侵襲性の低い(わずかな切開で行う)脊椎・脊髄手術に積極的に取り組んでいることから、件数の多かった手術には、腰椎・頚椎の脊柱管狭窄症や変形性脊椎症等に対する「椎弓形成術」、腰椎椎間板ヘルニアに対する「椎間板摘出術」が挙がっています。(→低侵襲脊椎手術MD法
 慢性硬膜下血腫は、高齢者で頭部外傷後しばらく経ってから(1~2ヶ月ほど)頭痛、片麻痺、認知症等の症状で発症します。多くの場合で、入院日もしくは入院翌日に緊急で「慢性硬膜下血種穿孔洗浄術(ドレナージ術)」を行っています。
 「脳血管内手術(コイル塞栓術)」は、主に脳動脈瘤に対して、カテーテルを用い血管の内側から治療する方法です。脳動脈瘤は破裂すると、発症したかたの1/3が命を落とすとされている「くも膜下出血」を起こします。当院では、くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)に対する緊急手術、未破裂脳動脈瘤に対する予定手術(破裂予防)のどちらにも対応しています。また脳動脈瘤の手術治療については、開頭手術(脳動脈瘤頚部クリッピング)が選択されることもあります。いずれも患者さんの状態や症例に応じて、より適切な治療方法を選択しています。「経皮的脳血栓回収術」は急性期脳梗塞(発症後8時間以内)に対して、カテーテルを用い血管を詰まらせた血栓を吸引し血管を再開通させる手術です。この他にも脳梗塞の原因となる脳動脈や頚動脈の狭窄部位にステントを留置して血管を拡げる手術も行っています。脳血管内治療は年々増加しており、令和3年度は緊急・予定を合わせ103件(前年度比で10%増加)の手術が実施されました。(→脳血管内治療
 また、当院は北陸で唯一の「機能的定位脳手術技術認定施設」となっていることから、パーキンソン病に対する「脳刺激装置植込術」や、ジストニア(書痙、イップス等)、本態性振戦(ふるえ)に対する「視床凝固術」が行える数少ない施設の一つとなっています。(→脳深部刺激療法(DBS)視床凝固術
 脳神経外科専門病院として、脳神経外科領域における幅広い手術治療に対応しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
本項目の定義に該当する患者さんはいませんでした。
当院では、入院中の重症感染症、手術・処置による合併症を起こさないよう細心の注意を払っています。
更新履歴
2022/9/26
初回作成日