パーキンソン病患者の前かがみ姿勢に対する治療法


症状と治療法について

 パーキンソン病で前かがみ姿勢の方は、立位時に正常人では見られない両脇腹の「外腹斜筋」の異常緊張が見られます。ほかにも腰曲がり前屈姿勢に関係する「腸腰筋」の異常な筋緊張が見られます。これらの筋肉に局所麻酔剤であるリドカインを注射して筋緊張を和らげ、上体をベルトで吊り上げ起こしてベルト(トレッドミル)上を歩行して、相対的に背筋を伸ばすリハビリ( 体重免荷式トレッドミルトレーニング: BWSTT) を続けて行うという治療法です。これらを7日間毎日続け、正しい姿勢を再認識するという意識変革と自覚が本治療法の狙いです。
 なお、リドカインのように作用時間が数時間という短い薬剤ではなく、長期間作用するボトックス(ボツリヌス毒素製剤)がありますが、保険適用がなく国内での一般臨床現場での実施は難しいと考えます。

前かがみ姿勢イラスト

吊り上げ

治療内容について

  入院は約2週間、治療前に異常活動する筋群を探すために筋電図検査を行い、姿勢異常の評価を行ってリハビリ計画をたてます。注射は7日間、エコーガイド下で異常活動筋(ほとんどが外腹斜筋)にリドカイン局注を行うのですが数分で終わります。その後のリハビリには80分間程度のBWSTTを含む理学療法と40 分間程度の作業療法を行っています。退院時に、姿勢やバランス、歩行状態の改善度の評価を行います。

前かがみ姿勢改善のイメージ

腰曲がり角度の改善率

当院の7例を対象にしたデータです。治療の結果には個人差があります。

改善率

スタッフより

 これまでパーキンソン病の患者さんには薬剤や外科的治療を行って来ていますが、これらの治療法でも困難な姿勢異常の治療への新たな扉が、当院で開かれようとしています。より多くの姿勢異常でお困りの患者さんへの福音となり、一人でも多くの方に本治療を受けていただきたいとスタッフ一同考えています。

リドカイン池田

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