■2006年11月4日発行 秋季号(第24号)■
■地域医療の再構築
■登録医療機関紹介コーナー
■ホームページなどによる当院の情報開示について −患者様の視点に立った情報発信−
■脳神経外科講座(24)
■学会発表活動
■救急症例検討会開催
■患者さんコーナー
■ふれあい健康相談
■ロールプレイングを用いた接遇研修
”地域医療の再構築”
医療の整備がなければ、地域住民の安心した生活は保障されません。ところが、医療改革と呼ばれる医療合理化の波を受けて、地域医療は青色吐息の状態にあるといってよいでしょう。なぜなら、政策誘導による病院数の減少が進み、患者の特定の医療機関への集中化が加速されています。
その一方で、医師や看護師不足は深刻です。私ども脳神経外科も例外ではなく、脳神経外科を志す若い医師の減少に危機を覚えた学会は研修医や医学生に向けてパンフレットなどによる勧誘活動を開始しました。当然のことながら、すぐに光は見えてきません。しかし、医療の現場では、人手のより必要な医療が容赦なく求められて行きます。
このような状況を前にして地域医療の将来に危機感が募りますが、明るいニュースもあります。
浅井会長率いる白山野々市医師会は地域医療機関の医療連携強化に乗り出しました。今こそ、地域の医療機関が力を合わせて、不足を補いあい、共存共栄のための新たなシステムを作り上げることが地域住民のためにも必要であると信じます。
医師会の取り組みへの患者の皆様のご理解をお願い致します。

病院長 佐藤 秀次
"登録医療機関紹介コーナー"
森 明弘クリニック
野々市町横宮町67-1
院長 森 明弘 先生

「開腹手術をゼロにする事が目標全ての消化管ガンを内視鏡で切除することに注力」
野々市町にあるスポーツクラブ“ヴィテンののいち”1階に、今回ご紹介する「森 明弘クリニック」があります。明るく開放的な印象のクリニックをお訪ねすると、院長の森先生がとても気さくに迎えてくださり、開口一番「金沢脳神経外科病院は頭から腰、末梢神経に至るまで正確に診断されるので、患者様にとっては大変有難い病院です。」とのお言葉をいただきました。先生は患者様の開腹手術をゼロにすることをライフワークとされています。お腹を切らず内視鏡で治療できるように、消化器ガンの早期発見に力を注がれ、連日内視鏡検査を行っておられます。特に2cm以下の早期ガンであれば、内視鏡を使って切り取る「粘膜切除術」により、胃や大腸を元どおりに治してしまえるとのことです。先生はその粘膜切除術のビデオ画像を見ながら、熱くお話しされました。またこれまで行われてきたバリウムを飲んで調べる胃透視検査では、1cm以下の早期ガンは発見しにくいとの経験から、先生のクリニックではデジタル高画質の電子内視鏡で検査されています。消化器ガンに対するポリシーを貫かれる先生の姿勢から、信頼と安心が感じとれました。

【先生の経歴】
昭和47年名古屋市立大学医学部卒業 / 金沢大学医学部第一外科入局 / 富山医科薬科大学第一外科助手から能登総合病院外科部長 / 南ヶ丘病院副院長を経て平成17年7月開業
【登録認定医等】
日本消化器内視鏡学会認定専門医
日本外科学会認定医
"ホームページなどによる当院の情報開示について −患者様の視点に立った情報発信−"
当院では、2月と7月の年2回、当院に初めて来院される患者様(新患)のアンケート調査を行っています。
この調査では、当院を選ばれた理由など数項目について質問をしていますが、前回の調査では、“当院のホームページや広告をみて”の来院患者様が増えています。 これはインターネット等の普及により、患者様は、今まで以上にあらゆる情報が安易に早く入手できる時代となり、医療機関の情報も例外ではなくなっている証左だと思います。
「医療は医師にお任せ、医療機関の情報はブラックボックス(何もわからない)」という時代は終わり、患者様自身が自分の病名や治療方法について医師から十分な説明を受け、納得のうえで治療を受け、時にはセカンド・オピニオン(主治医以外の他の医師の意見を聴くこと。)を受けることが当たり前の時代になりつつあります。
また、医療機関が発信できる情報は広告規制によってまだ若干の制約を受けていますが、そう遠くない時期に誇大広告や患者様に誤解等を与えない範囲での広告が緩和されるものと思われます。
そのようななかで、当院が発信する情報は、「患者様が当院を選ぶ際の重要な情報源であり、患者様に当院をよりよく知ってもらうためのもの」であります。
これからも、当院がホームページ、電子掲示板、広報誌等で発信する情報は、患者様の視点に立って、見やすく、分かりやすい情報となるよう努力して参りたいと考えています。
一度是非、ホームページをご覧になっていただきご意見などをいただければ幸いです。
事務長 谷 寛憲
”脳神経外科講座(24)”
「もやもや病」
脳血管障害には先天的な病気で起こることもあります。その一つにもやもや病があります。ある歌手がこの病気になったり、テレビ番組で取り上げられたこともあり聞いたことがある方もおられるかと思いますが、奇妙な名前です。
脳は、左右の頸動脈と椎骨動脈と呼ばれる血管の計4本の動脈から血流を受けています。これらの血管は頭蓋骨のなかで分岐したり合流したりしていますが、もやもや病では頸動脈の終末部分が徐々に細くなりついには閉塞してしまいます。急に閉塞してしまうとすぐに脳梗塞を起こしてしまいますが、ゆっくりと細くなるためバイパスの役目をはたす細い血管が発達してきます。この細い血管が血管撮影上たばこの煙のように「もやもや」して見えるためこの病名がつけられました。病気の原因は不明ですが、ほとんどが日本人で他の国ではきわめて稀です。バイパスができるとはいえ血流量が十分ではないため虚血による脳梗塞を生じたり、バイパスの細い血管は脆いため出血を起こしたりします。また痙攣発作で発症することもあります。
小児期に発症することと成人になってから発症することがありますが、特に小児の場合、繰り返す頭痛を訴えたり、ハーモニカをふいたり、熱いラーメン等を冷まそうと息を吹きかけているときに意識消失することがあります。
治療方法は確立していませんが手術的に頭皮の動脈を脳の血管につなぐこともあります。

副院長
”学会発表活動”
10月5日〜10月7日に青森で開催された「リハビリテーション・ケア合同研究大会 青森2006」においてリハビリテーション部の土山技士長が「自宅復帰後、独歩を転機として再度住宅改修を行った一症例」、吉田理学療法士が「23年間引きこもっていた右片麻痺患者が社会復帰を目指した1例」、山田言語聴覚士が携帯メールにより、コミュニケーションの場が拡大した中等度失語の一症例」という演題を発表しました。
また、10月18日〜20日に京都で開催された「第65回社団法人日本脳神経外科学会総会」にて、佐藤病院長が「複雑な病態を呈する腰椎変性疾患に対する最小侵襲手術」、朴在鎬医師が「腰椎変性疾患における同一神経根脊柱管内・外同時圧迫例に対する低侵襲手術」という演題を発表しました。
”救急症例検討会開催”
9月6日(水)、当院が主催する救急症例検討会が行われました。白山石川広域消防本部、金沢市消防局、能美広域事務組合消防本部の救急隊員35名の参加を頂き、今年2月〜7月末までに当院に救急搬送された284件の中から特に救急医療のレベルアップにつながると思われる3症例を取り上げ熱心な討議が行われました。
また、検討会に引き続き当院の山本副院長が「脳梗塞に効果のある新薬tPA」について
小勉強会を行いました。tPAは当院が石川県下で最も使用実績が多いことから救急隊員は熱心に聞き入っていっていらっしゃいました。

「tPAとは」
血液の固まりを溶かす働きがあります。脳梗塞や心筋梗塞など血管がつまる病気に使用されますが、副作用もあるので使用方法が厳密に決められています。脳梗塞では脳血管障害を見ることのできるスタッフが常駐している施設で発症後3時間以内に使用しなければなりません。そのため脳卒中が疑われた場合当院のような専門施設に緊急に搬送する必要があります。 |
”患者さんコーナー”
吉村 龍造 様

「入院生活を終えて」
私は3年ほど前から両上肢内側の痛みが続き、昨年地元の病院で手術を受けたのですが、術後なかなか回復せず、1年が過ぎましても痛みが増すばかりでした。それで、他の病院で金沢脳神経外科病院を紹介され、診察していただいた結果「頚部脊柱管狭窄症」と診断され手術を受けました。
手術は首後方を切開し、セラミックを用いて脊柱管を拡大する「拡大椎弓形成術」という手術を行っていただきました。術後1日間は首の手術のため身動きが出来ませんでしたが、徐々に回復し手術後2週間という速さで退院する事が出来ました。
術後3週間経った現在は、おかげさまで腕の痛みも少しづつやわらぎ、毎晩熟睡する事ができるようになりました。佐藤院長はじめ、山本副院長、看護師の皆様方には大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。
”ふれあい健康相談”
10月25日に、白山市のアピタ松任店で「ふれあい健康相談」を開催しました。これは当院の患者満足向上委員会が企画し、医師、薬剤師、看護師をはじめ、委員会メンバー15名が対応にあたり、血圧、体脂肪、骨密度の測定などを行いました。
受付を兼ねたアンケート用紙に記入していただき、その中で日頃から気になっていることをお聞きして、それぞれの専門とするスタッフがアドバイスしました。平日の開店時間から午後3時までの時間帯でしたが、150名の方々に参加していただきました。
年に1回開催のこの企画も今回で7回目となりました。地域の皆様とのふれあいを大切にするため、これからも継続していきたいと思います。

”ロールプレイングを用いた接遇研修”
患者満足向上委員会では、9月6日にロールプレイングを用いての接遇に関する研修会を行いました。
ロールプレイングを辞書で調べてみると、「実際の場面を想定し、さまざまな役割を演じさせて、問題の解決法を会得させる学習法。社員訓練や外国語会話の修得に応用されている。役割実演法。」とあります。
研修会では、電話の対応・病棟業務のよくある風景、計2シーンをスタッフが演じ、それを観て感じたことを、数名ずつのグループに分けた参加者に討議・発表をしてもらいました。
参加者全員が接遇について自ら考え、そして意見交換を行うことができました。接遇に対して深く考える時間を共有することができたと感じました。

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