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■2006年4月20日発行 春季号(第22号)■

脳卒中治療の地域中核病院として
登録医療機関紹介コーナー
当院における外来患者数と新患数の推移について −専門病院としての外来診療をめざす−
脳神経外科講座(22)
よろしくお願いします。
第2回院内QCサークル発表大会開催
患者さまコーナー
皆さまの町で「耳寄りな講演会」
通院患者の皆様へ

”脳卒中治療の地域中核病院として”

 わが国における脳卒中の特徴として、不整脈が原因で起こる脳塞栓症の増加が挙げられます。大部分は心房細動が原因です。この脳塞栓症は重症化し易く、死亡したり、重篤な後遺症を残したりするため、個人と社会双方の脅威になっています。本疾患に対して、待望の血栓溶解剤TPAが使用できるようになりました。その結果、脳梗塞の治療現場は益々時間との戦いの様相を呈しています。なぜなら、本剤は発症後3時間以内に投与しなければならないという制約があるからです。これを過ぎての投与では、脳出血を起こす危険性が高くなります。血栓を速やかに溶かして脳梗塞の進行を防止し、脳出血の合併症を起こさないためには発症後3時間以内の投与を厳守しなければなりません。本院は、この治療に適切に対応できるように、医師と放射線技師が即応体制をとっています。救急隊からの患者搬入要請があると、救急車の到着をスタッフが待ち受け、速やかにCT、MRI、MRAを行いながら、適応患者にはTPA治療が開始されます。県内のTPA投与例の約7割は本院であることからも、本院の対応の迅速さを理解していただけると思います。これまでの所、TPA投与によって脳動脈の血栓は全例で溶解し再開通しています。心配される脳の出血性合併症による悪化例はありません。一方、脳卒中の中でも死亡率の高いのがくも膜下出血です。その主因である脳動脈瘤の手術例は、私のみの経験でも500例を超えています。本院は、脳卒中の薬物治療と手術治療のいずれにおいても、地域の方々に期待していただけるレベルにあると確信しています。職員一同、これからも脳卒中の地域中核病院としての自覚をもって対応して参る所存です。

病院長 佐藤 秀次


"登録医療機関紹介コーナー"

松葉外科胃腸科クリニック
白山市美川中町
院長 松葉 明 先生

"まさに「在宅療養支援診療所」"

 JR美川駅から美川文化会館に向かって徒歩5分、県道104号線沿いに今回ご紹介する松葉先生のクリニックがあります。日本消化器外科学会認定医である先生は、内視鏡を中心とした消化器疾患の診断と治療を専門に行っていますが、高血圧症、高脂血症、糖尿病など生活習慣病の治療や往診など在宅医療にも積極的に取り組んでおられます。クリニックのモットーである「仕事に厳しく、患者様に優しく」を先生はもちろん職員の皆さんもそれを実践して、いつも笑顔で患者様に接しておられます。また「診診連携」を積極的に行い、地域の診療所と自院のベッド(19床)を共同利用され、住民の皆様が24時間365日、安心できるよう医療の提供に努められていると伺いました。まさに先生のクリニックは、今回、厚生労働省が診療報酬改定で新たに設けた「在宅療養支援診療所」の先取りのように感じられました。

  

【先生の経歴】
1950年  旧美川町生
1975年  順天堂大学医学部卒
1975年  順天堂大学付属病院外科研修医
1976年  金沢大学医学部付属病院第二外科
1983年  医学博士号受理
1984年  福井医科大学第一外科助手
1988年  松葉外科胃腸科クリニック開設

[クリニックのホームページアドレス]
http://www.matsuba-a.jp/


"当院における外来患者数と新患数の推移について −専門病院としての外来診療をめざす−"

 本院が医療連携に取り組んでから早いもので既に5年余が経過した。当時(平成12年度)の当院の一日平均の外来患者数は、約138名で現在の約1.38倍であった。また、外来患者数に占める新患数(当院を初めて受診した患者数)は一日平均約10名であり、外来患者数に占める新患の割合は、約7.5%で推移していた。
  それが現在では、一日平均の外来患者数は約100名であり5年半前に比べ約32%の減少となっています。これは、診断が確定し治療方針が決まった患者さまについては、患者さまと相談のうえ、患者さまが普段掛かられている “ホームドクター”などに患者さまを紹介したからであります。
  一方、当院を初めて受診される患者(新患)さまは、医療連携の開始以来年々増加し5年余が経った現在も伸び続けており、平成17年度の外来患者数に占める新患の割合は、約19.1%(12年度比:11.6%増)となっています。
  このように当院を初めて受診される新患が増えているのは、新患のアンケート結果から医療連携による診療所などからの当院への紹介患者の増加や当院を受診された患者さまやその家族の方々などの口コミなどによるものと思われます。
  当院はこれからも、機能分担による専門病院としての医療連携を一層進めて参りますのでよろしくご理解、ご支援の程をお願い申し上げます。

事務長 谷 寛憲


”脳神経外科講座(22)”

「脳卒中について」

 巻頭で病院長が紹介したように、脳梗塞(のうこうそく)に対する新しい治療ができるようになりました。しかし、脳卒中といっていも漠然としかわからないこともあるかと思いますので、今回から脳卒中についてしばらく解説いたします。脳卒中とは脳血管障害の別名です。脳の血管に異常が起きたことによる病気のことですが、「卒」とは突然で前触れがないという意味で、「中」とは何かに当たるという意味です。古来中国では病気は悪い風によってもたらせると信じられていました。脳卒中とは脳が突然悪い風に当たるという意味で、「中風」という言葉も同様の意味です。
  脳卒中は、大きく分けて血管がつまって起きるものと出血して起きるものがあります。血管がつまった場合は脳梗塞と呼ばれます。ここで梗塞の「梗」は「硬」ではないことに注意してください。「梗」も「塞」もふさがるとかつまるという意味です。脳梗塞はさらに脳の血管自体の問題でおきる脳血管症(のうけっせんしょう)と脳以外の部位で血液の塊ができそれが脳まで流れて血管をつめてしまう脳塞栓症(のうそくせんしょう)があります。
  出血には脳内出血とくも膜下出血があります。それぞれ病態と治療法が違いますので次回以降解説していきます。

副院長


”よろしくお願いします。”

 新年度を迎え、4月1日に平成18年度入職式が執り行われました。病院長の訓示の後、新入職員の代表者が誓いの言葉を述べました。本年度の新入職員は、リハビリテーション部6名、看護部6名の計12名。彼らが1日も早く、職場に慣れ親しんで、存分に実力を発揮してくれる事を期待しています。


”第2回院内QCサークル発表大会開催”

 去る3月11日、第2回院内QCサークル発表大会が開催され、 9サークルが医療の質、安全、能率、患者様満足の向上、コスト削減といった内容で、業務の管理・改善事例を報告しました。今回は、スライドに音響効果を入れるなど発表方法に工夫を凝らすサークルもあり、緊張の中にも笑い有りといった楽しい雰囲気の中で大会が行われました。どのサークルも忙しい業務の合間を縫っての活動でしたが、チームワークがよく取れており大変すばらしい出来栄えでした。審査の結果、金賞には、「期限切れ薬剤を減らそう」というテーマに取り組み“80%削減”という目標を達成した薬剤部のTOKUMOTO315サークルが選ばれました。 TOKUMOTO315サークルは、今年仙台で開催されるQC全国大会に出場し、その成果を発表する予定です。その他、銀賞にはBRPサークル(事務経営サポート課)、銅賞にはチャンピオンサークル(リハビリテーション部)がそれぞれ選ばれました。来年度も沢山のサークルが業務の管理・改善活動に取り組み医療の質や安全、患者様満足等が更に向上することを期待したいと思います。

QC推進委員長 熊橋 裕人


”患者さまコーナー”

久野 誠 様

「職場復帰できた喜び」

 私は、建築板金業を営んでおります。現在、息子が三代目の修行中の身ですから、まだまだ現役を退くことはできません。
 そんな私が、ここ数ヶ月間、首から肩、背中にかけて凄いコリと痛みに悩まされていました。若い頃であれば、少々の痛みも我慢できましたが、年齢が五十半ばにもなるとそうはいきません。ついには痛みに耐えきれない状況になってしまいました。幸いこちらの病院に勤める従兄弟から専門だからと受診を勧められ、院長先生の診察を受けることにしました。先生から「頚椎のこの部分のヘルニアですが、手術をすれば痛みが取れますよ。」と、MD法の手術説明を聞きましたが私の本心は、手術に対する不安でいっぱいでした。私のイメージでは、大変な手術だと思いこんでいたからです。しかし、手術の麻酔から覚め、聞くと驚きました。手術時間は90分で、出血量は、わずか6tだったそうです。手術のその晩は、まだ痛みがあり、術後の後遺症など不安に悩みましたが、翌日には、歩いてトイレに行くことができました。痛みは、日に日になくなり、これまで痛みを我慢してきた私は何だったのだろうと思います。
 ヘルニアで悩んでいる多くの人達にこのMD法という手術法を知ってもらえればと思います。私にとって、早く職場復帰できたことが最大の喜びです。院長先生、そして担当してくださった梅森先生や看護師の皆さんに感謝の一言です。大変お世話になり誠に有難うごさいました。


”皆さまの町で「耳寄りな講演会」”

 2月22日(水)グランドホテル松任で病院長が松任ライオンズクラブの皆様に「腰椎椎間板ヘルニアの手術治療」についてお話をしました。

3月13日(月)野々市町太平寺会館で地域住民の皆様に副院長が「脳卒中と認知症予防」についてお話をしました。

これからも講演のご依頼を承りますので係までお申し出ください。
(担当:久野)


”通院患者の皆様へ”

  本院は役割分担に基づく医療連携を進め、安定期に入った患者様の「かかりつけ医」への紹介を行って参りましたが、平成18年度からは、次の理由から更に促進させていただきます。
  本院に対する地域の医療ニーズが高まるとともに、医療業務は急速に増加し、本院のみでこれに対応することが困難な状況になって参りました。更に、医療制度の改革に伴い、病院が今までのように急性期から慢性期までのすべての医療を提供することが困難にもなっております。
  今後は、病診連携に基づく役割分担の医療の時代です。これを踏まえて、本院が脳神経外科専門病院として、今後も急性期医療におけるその役割と使命を十分に果たすことができるように、病状が安定し、薬物治療が中心になった患者の皆様には、「かかりつけ医」を持っていただき、そこで治療を継続することを改めてお願いいたします。
  本院から転院後も、専門的治療が必要になった時には、速やかに受け入れ治療に当たらせていただきます。他の医療機関へ紹介転院される患者さんは、「かかりつけ医」と「専門医」を主治医に持つことになり、決して本院との関係が途切れることではないことをご理解いただきたいと思います。
  以上の理由から、平成18年5月8日(月)からの本院の外来診療は、紹介患者、新患及び専門外来に限定させていただき、薬物治療中心の通院治療部門は縮小させていただきます。その分、救急医療や脳卒中・頭部外傷などの入院治療、手術治療、急性期・回復期リハビリテーションに今まで以上に力を尽くして参りますので、ご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。

平成18年4月1日

病院長 佐藤 秀次

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