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■2006年1月31日発行 冬季号(第21号)■

脳神経外科本来の医療提供へ向けて
登録医療機関紹介コーナー
当院における脊椎手術の現状 −椎間板ヘルニアなど脊椎手術が68%−
脳神経外科講座(21
新年を迎えるにあたって、各部署に今年の抱負、目標などを伺ってみました。
患者さんコーナー
NST稼動施設認定を受けました
医療の改善活動全国大会in札幌に参加して
救える命そのために

”脳神経外科本来の医療提供へ向けて”

 高齢者の在宅医療や施設療養・介護の中で発生する問題は、多様かつ複雑化しています。在宅・施設療養の多くの患者さんが直面する問題の中には、風邪をこじらせての肺炎や、摂食不良に起因する低栄養・脱水、廃用にもとづく機能的低下などがあります。最近、本院では脳卒中や頭部外傷など脳神経外科的専門治療を必要とする救急患者が増加する一方で、先の感染症治療や低栄養・脱水などの全身的管理の必要な患者さんの緊急入院も増えています。ところが、本院の限られた急性期用病床では、これらの患者さんのすべての受け入れに応じることは到底不可能であり、救急車や急患を断わらなければならない事態が生じています。
  本院では、治療に一刻をきそう脳卒中や外傷患者の緊急検査や手術に対応できる態勢を整えています。しかし、受け入れベッドのない状況では、それらは機能すらできません。この度、厚労省はようやく在宅療養支援診療所(仮称)の新設構想を打ち出しました。一日も早く、地域の方々が安心して在宅や施設での医療・療養ができるよう、その整備が進められることを切に願います。そうでなければ、旧態依然とした患者の病院依存、集中化は避けられず、医療の効率化や役割分担は進みません。
  地域の方々へのお願いとして、本院が脳卒中や頭部外傷の救急患者を一人でも多く受け入れることができるように、ベッドの確保にご協力ください。

病院長 佐藤 秀次


"登録医療機関紹介コーナー"

松田内科クリニック
能美市(旧辰口町)三ツ屋町
院長 松田健志 先生

「温和で誠実なホームドクター」

 今回は、平成元年からしばらく当院の内科外来を担当していただいていた松田先生をご紹介します。先生のお父様は長くこの地で開業され地域医療に情熱を捧げておられました。先生はその志を継がれ住民のホームドクターとして皆様の健康をサポートしておられます。
  先生は、「大学病院はデパートであり、私のクリニックはコンビニです。」と比ゆ的にわかりやすくおっしゃいます。標榜科ではない小児科、皮膚科、眼科などについても五百余の薬を常備され、来られた患者様には誠意をもって診察されておられます。往診や時間外の急患様にも積極的にかつ誠実に対応されておられます。また、専門医療機関との連携も密にされており住民の皆様にはとても安心です。先生をよく知る開業医の先生からも「お年よりの患者は訴えが多いが松田先生はその訴えをよく聞く、私の親も診ていただいている。」(談笑)とお言葉をいただくほどの先生です。

 

【先生の経歴】
昭和六十一年金沢医科大学大学院を修了後、金沢循環器病院を経て平成十年に開業
【先生の学会登録認定医等】
日本循環器学会認定専門医
日本内科学会認定医


"当院における脊椎手術の現状 −椎間板ヘルニアなど脊椎手術が68%−"

「当院における脊椎疾患の現況」― 椎間板ヘルニアなど脊椎手術が68% ー

 当院が平成12年11月に予約制の「脊椎専門外来」を開設してちょうど5年が経過しました。この脊椎専門外来は、毎週金曜日の午前中に予約制で最大5名の患者さまを診ることになっています。開設当初は、当院で脊椎疾患を診ていることが殆ど知られていないことから受診される方もそれほど多くはありませんでした。 5年が経過した現在、手術を受けられた患者さまなどの口コミや医療連携先の先生方のご紹介で、ほぼ毎週予約の患者さまで一杯になっております。最近では、予約日が一杯で受診できない方も出てきており、そのような方については、通常の一般外来で受診いただいています。脊椎専門外来での患者さまの増加に伴い、脊椎手術を受けられる方も年々増加し、平成13年の47件に対し平成17年末では280件と約6倍に伸びており、全手術の約68%を占めるまでになっています。特に“椎間板ヘルニア”や“脊柱管狭窄症”など低侵襲(痛みが少なく、入院期間が短く、人にやさしいMD法手術)による手術が大幅に増加しています。また、これらの手術成績については、日本脊髄外科学会などで発表し、その発表内容を当院のホームページでも公開していますので、是非一度ご覧になって下さい。当院は、これからも“患者さまにとってより良い医療とは何か”を常に考えながら、患者さまから信頼と満足の得られる医療を提供していきたいと考えています。

事務長 谷 寛憲


”脳神経外科講座(21)”

「認知症B」

記憶力が年齢を重ねるごとに衰えてくることは多くの方が実感していると思います。しかし、その記憶障害と認知症(痴呆症)とどこに境があるのかはっきりさせるのはかなり分かりにくい問題です。知っている人でもすぐに名前が出てこなかったり、物をどこに置いたか忘れてしまうということで外来に来られる方も多くおられますが病的である場合はあまりありません。客観的に認知症があるかどうか検査する方法に長谷川式簡易知的機能検査(HDS-R)があります。日付や場所等がわかるかどうか、簡単な計算ができるかどうか、簡単な記憶ができるかなどを調べ点数化します。この検査は外来で10分程度で終わります。この検査で認知症が認められた場合、MRIを用いて脳血管障害や脳腫瘍、あるいは慢性硬膜下血腫、水頭症等の器質的疾患がないかどうか調べ治療方針を検討します。長谷川式簡易知的機能検査(HDS-R)で正常範囲でも、最近では脳血流を調べるSPECT装置を用いた検査で特殊処理をすることにより早期のアルツハイマー病を診断することが可能になり、軽度のうちに治療を開始することが可能となってきました。


SPECTに特殊処理(3D-iSSP)を施した検査結果

副院長


”新年を迎えるにあたって、各部署に今年の抱負、目標などを伺ってみました。”

「医局」
昨年懸案だった電子カルテが導入されました。未だ使いこなされていませんが、正確な記録と指示を行い、省力化につながるよう活用していく予定です。また、病院機能評価更新の年でもありますのであらためて現在の体制を見直し、改善すべきところを検討していきます。

「看護部」
18年度の看護部はネガティヴな"3K"からポジティヴな"3K"「協働・協調・会話」を上げたい。患者満足を得るには職員満足あっての質やサービス・安全・安心が存在すると考える。まずは看護要員確保が最重要課題です。

「薬剤部」
患者様が、安全、安心して薬物療法を受けられるよう患者様とのコミュニケーションに基づいた薬剤師活動に取り組んでまいります。

「検査部」
日々の検査データの中に埋もれている貴重な情報を掘りおこし、より的確な診断及び治療に貢献したい。

「放射線部」
医療技術の進歩は目覚しいものがあります。画像部門も例外ではありません。新技術の習得、応用に心がけより良質な画像を提供していきたいと思います。

「リハビリテーション部」
医療をとりまく環境が厳しい中で、急性期リハビリテーションの超早期化及び回復期リハビリテーションの更なる充実が急務であります。

「栄養部」
患者様の視点に立った栄養ケアを提供できるよう、部署内はもちろん他部署との連携を強化する。

「事務部」
当院は平成14年1月に財団法人日本医療機能評価機構より認定証の交付を受けました。認定の有効期間は交付から5年間です。早いもので4年を経て本年はいよいよ更新のための最終準備・整備の年です。前回よりもハードルが高くなっており副院長を中心に職員一丸となって更新に向け取り組んでまいります。


”患者さんコーナー”


島 智信 様

 「MD法による脊柱管狭窄症の手術を受けて」

 私が手術を受けたのは平成十六年六月でした。それまで十年近く腰部と足の痛みで鍼灸接骨院での電気治療と鍼灸治療を受けておりましたが、全くよくならず紹介状を持って総合病院の整形外科へ行きブロック注射と投薬治療を受けましたが効果がなく、たまたま家内が足の骨折で入院治療を受けた個人の整形外科クリニックの先生に一度診て貰ったところ脊柱管狭窄症で足の神経を抑えているとのことでしたが治療は牽引と電気とアクアラック(マッサージ機)に、時折ブロック注射も受けましたが、騙し騙し我慢している状態でした。そんな折知人から金沢脳神経外科病院が最適だと紹介を戴き早速受診しました。MRI等種々検査の結果、脊柱管狭窄症と診断、院長先生より傷口が小さくて短期間で快復する「MD法手術」の説明を戴き直ぐに手術を受けることを決断し、一週間後に手術を受けました。
  手術は順調に進んだようで、目が覚めたら集中治療室で家内が顔を覗かせたので驚きました。術後は傷の痛みもなく病室のテレビで百万石行列を観たりして過ごしました。十日余りで退院しましたが、全く痛みもなく一年余を経過した今日も快適に過ごしております。もっと早くにこの手術を受けていればよかったと痛感するとともに紹介して下さった方や院長先生を始めお世話戴いた病院の皆様に心から感謝しております。
  脊柱管狭窄症や腰椎々間板ヘルニア等に悩んでおられる方に早期にこの「MD法手術」を受けられ快適な日々を過ごされることをお奨めしたいと思っております。


”NST稼動施設認定を受けました”

 平成17年11月1日、当院が日本静脈経腸栄養学会により、栄養サポートチーム(NST)稼動施設として認定されました。認定を受けている病院は全国で652施設、石川県では18施設ありますが、総合病院が大多数で当院のような専門病院で認定を受けている施設は石川県では唯一、全国的にも殆どありません。当院では脳の損傷による意識障害や、お口での飲み込みの障害(嚥下障害といいます)の為に、入院当初から、食事を食べる事が困難な患者が多いのが特徴です。病気の回復には十分な栄養補給が不可欠です。意識障害・嚥下障害のリハビリテーションと並行して栄養サポートチームのバックアップの下、経管栄養や点滴による栄養治療を行っています。

河ア 寛孝


”医療の改善活動全国大会in札幌に参加して”

 発表は、初めてということもあり不安はありましたが、練習の成果が発揮できたのでよかったと思います。
 特別講演では、1860年代は機械化の時代、1940年代は効率化の時代、2000年代になると、適応性の時代となってきたと言われていました。我々も当たり前のことなのですが、業務をこなすことのみに留まらず、患者様の基本的要求、そして明示された要求、さらには潜在的要求にまでも視野の広がる医療人としてみなで携わっていけるチーム作りを展開していきたいと考えております。

理学療法士 山口 史葉


”救える命そのために−第10回救急症例検討会開催−”

 12月2日、当院が主催する第10回救急症例検討会を開催しました。今回の症例は、平成17年7月から10月末日までに当院に救急搬送された189件の中から、3症例について熱心な討議が行われました。また、検討会に引続き当院の朴医師が「脳ヘルニア」について講演を行いました。次回は、3月8日に開催を予定しています。

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