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■2005年6月20日発行 初夏号(第18号)■

「生活の質」重視のMD手術
脳神経外科講座シリーズQ
新任医師のご紹介
登録医療機関紹介コーナー
ふれあい看護体験
個人情報保護法について
さらなる救急医療のレベルアップのために
夢ふくらむ新入職式
院内QCサークル発表大会
編集後記

”「生活の質」重視のMD手術”

 腰椎ヘルニアの治療目標は、速やかに痛みを取り除き、快適な日常生活への早期復帰にあります。この目標達成のために、治療者には保存治療か手術治療かの判断が常に求められるのです。私は症状の重症度、生活の障害度、さらにヘルニアの病態に基づいてこれを判断しています。薬物や神経ブロックなどの保存治療は痛みの対症療法であり、根治療法ではありません。対症療法による症状の改善が困難で長引く時には、手術治療に踏み切る決断が必要です。その判断力を欠いた治療は、患者にあたかも「行き先不明の列車」に乗り込んだような不安と不利益をもたらします。果たして「治癒」という目的地に間違いなく向かっているのか、いつ到着できるのか、患者は痛みと不安に苛まれることになるのです。
  MRIの診断精度が著しく向上した今日、MRI画像所見と症状・経過を総合的に検討するなら、患者個々に採るべき治療法の早期決定は必ずしも困難ではありません。現在、手術治療の低侵襲化が進む一方で、安全性はなお一層向上しています。本院のMD法は40〜50分で済み、出血量は10cc前後と身体の負担は軽い。術後の痛みは少なく、翌日から歩行でき、1から2週間で退院可能です。通常、通院治療の必要はありません。手術治療に過信は禁物であるが、現在の手術治療の到達レベルがもっと正当に評価され、治療法が患者のために適切に選択されることを望みたいものです。
  今回ご紹介する医療機関は、長尾医院です。長尾先生は、まさに患者さんの為に縦横無尽、夜昼となく奔走されていらっしゃいます。今後も引続き変わらぬ連携を宜しくお願い致します。

「病院長の月曜日の外来診察について」
7月4日(月)より、月曜日の病院長の診察は火曜日と同様に、紹介状をお持ちの方及び新来院患者様のみとさせていただきますのでご了承ください。

病院長 佐藤 秀次


"脳神経外科講座シリーズQ"

「慢性硬膜下血腫」

硬膜の下に急速に出血が起きると脳が強く圧迫され生命にかかわることも少なくありませんが、ゆっくりと血がにじむように出血してくることがあります。脳振漫を伴わない程度に軽く頭を打撲してから、あるいはそのような経験がなくても、だんだん頭痛が強くなる(特に午前中)手で細かい作業が出来ない、歩きにくいなどの症状が出てきたり、会話がとんちんかん、記憶力が急速に悪くなるなどの現象が出てきた場合にはCT、あるいはMRIで検査をする必要があります。硬膜と呼ばれる脳を包んでいる膜と脳の間にゆっくりと血液がたまってくる慢性硬膜下血腫である可能性があるからです。治療としてはステUイドホルモンにより内科的に治療することも可能な場合がありますが、時間がかかり急速に悪化ずることもありえるため、通常は発見されたらすぐに手術を行ないます。手術といっても局所麻酔で直径1p弱の小さな孔を頭蓋骨にあけ、そこから血腫内に細いチューブを挿入します。一晩かけてゆっくりと血液を流しだすとそれで治ってしまうことがほとんどです。なかには再貯留してきて手術を2回以上しなければならないこともありますが、ほぼーOO%治癒します。進行は比較的ゆっくりしていますが、時に急速に症状が悪化することもありますのでおかしいと思ったらすぐに検査を受けなければなりません。急速に痴呆症状が進んだ場合もこの疾患である可能性があります。

副院長 山本 信孝


”新任医師のご紹介”

「信頼が得られる病院に」 
冨子 達史

近年特に事故のない安全で、安心して受けることが出来る医療が求められています。
  本院は、急性期から慢性期にいたる迄の一貫した治療をしており、また病診連携を密に、地域に根ざした医療提供をしています。
  脳疾患に加えて、脊椎・脊髄疾患の外科的治療にも積極的に取り組んで成果をあげていますが、今後さらに皆様方の信頼が得られる病院になる様力を注ぎたいと思っています。

「職業人として」
朴 在鎬

医学部卒業間近、子供が筋ジストロフィーと診断され成すすべもなく悲しみにくれる母親からの新聞投書記事に愕然としたことがありました。医師とはどんな存在であり、苦悩する人達を前に果たして何ができうるのか?十数年経った今でも問いに完璧に答えられるわけではありません。職業人として、現存する最も高度な知識と技術をもって診療にあたるのが我々に課せられた使命であり、その実現のために努力を惜しんではなりません。しかし、懸命になる中でこれだけは忘れないでいたいです。病の痛みと不安の中で苦悩する患者という人達と60億分の1の確率で出会ったかけがえのない友人であり、戦う仲間でありたいということです。
  医師という職業を選んだ一人の人間として、新しく赴任するにあたり改めてそう思うのです。

「回復期リハビリテーション病棟開設の抱負」
河ア 寛孝

平成12年『回復期リハビリテーション病棟』という制度が誕生しました。この制度によって、回復期の集中的なリハビリが、患者さんのご自宅の近くの病院でも受けることができるようになり、日本のリハビリテーション医療は大きく前進しました。
  金沢脳神経外科病院はリハビリにも熱心に取り組まれていた病院として以前から有名です。私は一年間この病院にリハビリ医として非常勤で勤務し、今回『回復期リハビリテーション病棟』の開設にあたってリハビリ病棟の専従医として就職させて頂きました。
  『回復期リハビリテーション病棟』になって大きく変わったことは、患者さん1人に対して毎月1回、関わっているリハビリスタッフ全員で会議を行い、リハビリの計画書を作成して、患者さん・御家族に説明し、計画書に同意のサインを頂いていることです。リハビリの目標や退院日もこの計画書で決定しています。
  また、回復期のリハビリでは、関節の痛みや転倒事故、食事や排泄の問題、発熱、不安な気持ち、体力低下など、様々な問題が生じてきます。看護師・ソーシャルワーカーが増員となり医師も病棟専属となりましたので、すみやかに対処しリハビリを安全にスムーズに進めていくよう努力していきます。


”登録医療機関紹介コーナー”
長尾医院
院長 長尾 信 先生

五月に入ると美川旧町内の皆様は異様に活気づいてきます。それは美川の伝統的なお祭り「おかえり祭」があるからです。この町内に今回ご紹介する長尾医院があります。長尾先生は、金沢大学第一外科(現、心肺総合外科)に入局後、いくつかの関連病院で※専門医として診療をされていましたが、平成十三年、同地で地域医療に情熱を捧げておられたお父さまが亡くなられたのを切っ掛けに開業されました。先生は、プライマリー-ケア(疾病の初期治療)を中心に家庭医として診療を行っています。また在宅医療にも積極的に取り組まれています。時間外での往診は携帯電話で対応され、入院が必要となった場合には、救急車に同乗して病態にあった専門病院まで付き添って行かれるそうです。まさにお父さまの理念を受け継がれ、地域の皆様の家庭医として、安心できる医療を提供されておられます。  

※ 日本外科学会認定医 日本消化器外科学会認定医、日本消化器内視鏡学会認定医、日本気管支学会指導医


”ふれあい看護体験”

今回、伏見高校3年生2名がわが6病棟に、一日看護体験にやってきました。急性期病棟を体験したいという高校生の希望に答えました。忙しい病棟なのでどこまで体験できるか心配しましたが、シーツ交換、検査・手術出しの見学、点滴見学、入浴介助等内容盛りだくさんに体験することが出来ました。将来は看護師?の質問に二人とも首をかしげていましたが、体験終了後の懇談会で「貴重な体験が出来た。看護師の仕事の大変さがわかった。」という言葉が聞かれ、看護の道に進む若者が一人でも多くなることを願います。

6病棟 師長 銭谷洋子
看護師 辻田里美


”個人情報保護法について”

当院は患者様の“個人情報保護”に全力で取り組んでいます
  本年4月1日からの個人情報保護法全面施行に伴い、当院では「個人情報保護方針」をかかげ、患者の皆様が安全にかつ安心して治療を受けていただけるよう個人情報の取り扱いには細心の注意を払っています。患者様の個人情報の利用目的についても、リーフレットを作成し、皆様に配付して同意を求めています。リーフレットに記載された目的以外で利用させていただく必要が生じた場合には、改めて患者様から同意をいただくことにしています。
  また、個人情報の開示・訂正・利用の停止等については、「個人情報の保護に関する法律」の規定にしたがって行います。
なお、当院では患者様の取り違え事故等を未然に防止するために患者様を番号でお呼びせず、ご氏名でお呼びしています。病室前やお食事に氏名札をお付けするのも患者様の安全のためですのでご了承ください。


”さらなる救急医療のレベルアップのために”

  当院主催による第8回救急症例検討会を3月2日(水)、白山石川広域事務組合、能美広域事務組合、金沢市消防本部の救急救命士や救急隊員19名の参加をいただき開催しました。この検討会では、過去3ヶ月間に当院に救急搬送された182件の中から、特に救急医療のレベルアップにつながると思われる3症例を取りあげ、救急処置などについて熱心な討議が行われました。
  また、検討会に引続き当院の梅森部長が「神経症状の所見の取り方とそれが意味すること」について講演を行いました。
  次回は、9月7日(水)に開催が予定されています。


”夢ふくらむ新入職式”

 この4月、当院では、脳外科医師2名・リハビリテーション科医師1名・放射線技師1名・PT2名・看護師11名・看護助手1名・MSW1名・事務1名の合計20名もの多くの職員が新しい仲間として加わりました。
それぞれの部署で先輩たちに囲まれて元気いっぱい頑張っています。


”院内QCサークル発表大会”

3月12日に、第一回院内QCサークル発表大会を開催しました。院内には現在15のサークルがあり医療の質の向上や安全性、患者様満足の向上など品質改善を目指して活動を行っていますが、今回、11のサークルからその活動内容や成果を体験談としてまとめた発表が行われました。どのサークルも活発に改善活動が行われており、大変活気に満ちた大会でした。
  審査の結果、金賞には、「ADL加算を増やそう!」というテーマで、医療の質並びに患者様の満足の向上に取り組んだリハビリテーション部の“チャンピオンサークル”が選ばれました。また、銀賞には、「病棟のストック薬剤管理を徹底しよう!」というテーマで医療の質並びにコスト意識の向上に取り組んだ6病棟の “ドラッグ・ぴよっ子サークル”、銅賞には、職種横断でチームを編成し、「入院時の身長・体重を測ろう!」というテーマで医療の質の向上に取り組んだ“サルのチエサークル”が選ばれました。
  QCサークルは、今後も継続的に業務改善活動を展開していき、品質向上に努めてまいりたいと思います。


”編集後記”

 今年の春季号は当初予定より随分と遅れての発行となってしまいました。委員の変更や構成遅れなど原因はいろいろですが、読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしました。改めてお詫び申し上げます。次回以降はまた頑張りますので宜しくお願い致します。

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